米国株

ゲームエンジンの覇者Unityを徹底解説。VR/ARを軸に他市場にも大手

2020-12-30

この画像の車はUnityツールで作成されたものです。実際の車と見分けがつきません

こんにちは!マキノブ(@makinoblog)です。本日は2020年9月18日にIPOしたUnityの紹介をしていきます。ポートフォリオ比率No1の銘柄ですので気合いを入れて書きたいと思います。MARAとは異なる魅力があるのでございます。

こんなお悩みに答えます

  • ユニティのビジネスモデルや競争優位を詳しく知りたい
  • ユニティの株・株価についての判断材料が欲しい
  • 米国株の面白そうな銘柄を知りたい

株式投資によって資産を築く際は、狼狽売りをせずに、中長期的に自分が惚れた企業の株を持ち続けることが重要です。少し情報量が多いかもしれませんが、読んだ後に自分で自信を持ってUnityの株を購入するかどうかの判断ができるようになりますのでぜひ最後までご覧ください。記事内でユニティと表記した場合は会社や株の銘柄として、Unity表記はゲームエンジンやツールとしてのUnityを指すものとしてご覧ください。

※本記事は株式投資の参考となる情報提供のみを目的としたものであり、勧誘目的ではありません。投資に関する最終判断は、ご自身の責任でお願い申し上げます。また、テーマの特性上どうしても記事はアップした瞬間に情報の新鮮さは失われます。決算やチャート等の最新情報も必ずご自身でご確認ください。

なお、本ブログは皆さまからの投げ銭で運営されています。今後も記事は無料公開していきたいと考えていますので、もし内容が役立ったようであれば投げ銭でサポートいただけると嬉しいです(投げ銭は記事の末尾からお願いします)

ユニティ(ティッカー:U)はゲームエンジン世界No1シェア

ユニティはゲームエンジンを提供している会社です。ゲームエンジンが聞きなれない場合は「ゲーム開発ツール」だと思ってもらえば大丈夫です。要はゲーム開発用のAdobe Photoshop(アドビ・フォトショップ)のようなものだと考えてもらうと分かりやすいかと存じます。作成した最終製品をUnityがサポートしている20以上のプラットフォーム(Apple iOS、Google Android、XboxやPlaystation、Oculus Questなど)のうち1つ以上にエクスポートできる点が大きな特徴です。

ユニティはよくゲーム開発会社と比較されがちですが、むしろAdobe(アドビ)やAutodesk(オートデスク)に近い性質を持つと覚えておきましょう。ゲーム開発プラットフォームの代替不可能性とネットワーク効果にユニティのUVP(Unique Value Proposition)がありますので、そこをはき違えてしまうと正しい評価はできません。

Unityエディタ

実際のゲーム開発画面。Unityエディタと呼ばれている

これが実際のゲーム開発画面です。真ん中の画面が実際のゲーム画面をチェックするウィンドウでその周囲のパネルウインドウを操作することでゲームを作っていきます。Unityのような汎用性の高いゲームエンジンが商用として貸し出されるようになって、これまで独自開発していたゲーム開発者(最近は大手ゲームメーカーなども)ライセンス契約を行って利用するようになったのです。まさにゲーム作りの民主化でございます!

全世界の新規モバイルゲームの50%がUnity製

Unityのシェア

全世界の新規モバイルゲームの50%はUnityで作られており、また売上TOP1000タイトルのうち50%がUnity製

ドドーン!はいきましたUnityのシェア。圧倒的ですね。

公式情報によると現在、全世界の新規モバイルゲームの50%はUnityで作られており、また全世界のモバイルゲーム 売上上位1000タイトルのうち50%がUnity製です。試しにUnityで作られたゲームの一部(本当にごく一部です!)を見てみましょう。きっと皆さんも遊んだことのあるゲームがたくさんあるはずです。

  • ポケモンGO
  • スーパーマリオラン
  • 白猫プロジェクト
  • 黒猫プロジェクト
  • ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君
  • 逆転オセロニア
  • 戦国BASARA バトルパーティー
  • みんゴル
  • どうぶつの森ポケットキャンプ
  • スーパーボンバーマンR
  • バイオハザードアンブレラコア
  • AmoungUS (The Game Award 2020受賞)

Unityはゲーム開発者の必須スキルとして市民権を得た

エンジニア界隈、人材業界では既に当たり前の話ですが、Unityを用いたプログラマー・エンジニアは「Unityエンジニア」と呼ばれるほど既に市民権を得ています。専門学校やプログラミングスクールでも人気講座となるなど、ゲーム開発=Unity(ユニティ)という第一想起ができているのです‘(後述しますが、ゲーム以外での可能性も広いです)。

「本当に?」と思われる方はぜひご自身で「Unity エンジニア」で検索してみてください。また、次のような情報サイトをご覧いただければ、ニーズの高さを一発で実感できるはずです。

そして、ユニティも公式ブログでAR/VRエンジニアの需要の高さを発表しています。エンジニアの皆さんは1歩2歩先の需要を読み取りますので、今後の期待値の高さもうかがえます。

テンバガー候補株Unity(ユニティ)の事業とマネタイズモデル

続いてユニティの事業内容とマネタイズモデルです。2014年くらいからユニティはゲームエンジン以外の領域にも積極的に進出していて、収益の柱は大きくコンテンツ制作用ツールの「制作ソリューション事業」とコンテンツ管理及び収益化ツールとしての「運用ソリューション事業」の2部門があります。

売上の約30%を占める制作ソリューション事業

ソリューション事業=Unityツール利用料と覚えましょう。Unityツールは最初無料で使えるのですが、いくかの拡張機能を使うには月額費用を支払う必要があったり、年間約1,000万円以上稼ぐ事業者は最も高額なプロライセンスを使う必要があります。色々なオプションもありますが、基本構造としてはSaaSモデルの王道を歩んでいます。

  • Unityプラットフォーム
    • フリーミアムサブスクリプションモデルで運用されているコアゲームエンジン
    • 個人や小規模なチーム、学生は無償で利用できるが、ある程度の収益を確立しているゲームスタジオや他業界の企業は有料
    • 料金はUnity Plus、Pro、Enterpriseの各プランによって異なるので、詳細はUnity公式サイトをご覧ください
  • エンジン拡張機能
    • 需要が増え続ける特定業界に特化したコアエンジンのツールや拡張機能のポートフォリオ提供
    • 例えば、VR開発用のMARS、BIMアセットと一緒に使用する建築/建設向けのReflectCADデータインポート用のPixyz、映画バーチャルプロダクション用のCinemachine、アート自動生成用のArtEngineなどが有名
  • プロフェッショナルサービス
    • Unity製品を使用している企業向けのコンサルティングサービス
    • ユニティはM&Aにも積極的な会社で4月にFinger Food Studios(フィンガー・フード・スタジオ)を約57億円で買収してコンサルティング業務の拡張を図った

また、上記の3つの製品カテゴリの他に、ユニティはS-1で別のコンテンツ制作サービス一式を「Strategic Partnerships & Other(戦略的パートナーシップなど)」として報告しました。こちらは収益の9%を占めると報告されています。

  • 戦略的パートナーシップ
    • 大手テック企業は自社のソフトウェアおよびハードウェアとUnityを統合させ、その状態を維持するために、各種料金体系(定額、収益共有、ロイヤルティ)に従ってユニティに料金を支払っている
    • Unityは最も人気のあるゲーム構築プラットフォームであり、Facebook(フェイスブック)やGoogle(グーグル)にとっては、それぞれOculus(オキュラス)やPlay Store(プレイストア)がUnity互換であることが極めて重要
    • これがユニティがGAFAMと対等に渡り合える「ゲーム業界の覇者」と言われる所以(おじさんが適当に言ってるだけではないのです)
  • Unityアセットストア
    • アーティストや開発者が、自分のコンテンツで使うデジタルアセットや、キャラクターの関節の動きをガイドする物理特性マテリアルなどを売買するマーケット
    • アセットストアがあることでゲーム開発者はすべての要素をゼロから設計およびコーディングせずに済む

売上の約62%を占める運用ソリューション事業

これは広告ビジネスのことです。運用ソリューション事業によって、ゲーム開発者は自分が作ったゲームのマネタイズを比較的早期に実現できるようになります。そういった意味では数字以上にユニティのコアになっていると私は考えていますし、UnityAds公式サイトを見ると設計思想がゲーマー目線で嬉しくなるのです。

Unity adsのコンセプト

ユーザーに愛される広告実装を考えるUnityAdsのコンセプト

  • 広告
    • 2014年のApplifier(アプリファイアー)の買収でユニティは、モバイルゲーム用のゲーム内広告ネットワークを立ち上げた
    • この広告ネットワークはユニファイド・オークション(潜在的な広告主の中から最高入札額を獲得できるようようにするオークション形式)で凄まじい発展を遂げた
    • ユニティは現在、世界最大のモバイル広告ネットワークの1つとなっている
    • 最大の特徴はゲーマーにとって気持ちの良い広告の出し方と収益の最大化を同時に達成している点
    • 広告を出す、アプリ内課金を促す、何もせずに各プレーヤーの生涯価値を最大化する、といった方法の中から最適なものをリアルタイムで査定できる動的な収益化ツールも持っているため、開発者はUnity IAP機能を使用してアプリ内課金(IAP)を管理可能
    • しかし、現時点でユニティはIAP収益の一部を徴収することはしていない ※将来へ残された大きな収益の伸びしろ

Unity Adsが大手SNSやアドネットワーク大手と比べて遜色ないことを知らない人は多いです...

  • ライブサービス
    • ゲーム開発者が、ユーザーの獲得、プレーヤーのマッチメイキング、サーバーホスティング、バグの特定などを容易に管理するためのクラウドポートフォリオ
    • このポートフォリオは主に、Multiplay(クラウドゲームサーバーのホスティングとマッチメイキング)、Vivox(ゲームのプレーヤー同士の音声およびテキストチャットを行うためのクラウドホステッドシステム)、deltaDNA(キャンペーンプレーヤーをセグメント化してエンゲージメント、収益化、リテンションを向上)といった企業を買収することで拡充されてきた
    • また、AIモデルをトレーニングしてリアルワールドをバーチャルで再生する(またはゲームにバグがないかテストする)Unity Simulateも用意されている。ライブサービス製品は、従量課金制で、契約後一定の使用量に達するまでは無料で利用可能

最近のBig Newsとしてはスナップチャットとの提携を発表し、UnityAdsがSnapAudienceNetworkで利用できるようになりました。ユニティはゲームというコンテンツとそのネットワークに根本からかかわっているため、良い意味で寄生虫のように流行りのSNSがどこであろうとマネタイズをフィットさせることができます。この辺りがFacebookのように広告ビジネスに頼らざるを得ない企業との大きな違いなのでございます。不確実性への対処にも強みを持つということですね。

エピック・ゲームズなど、ユニティの競合を一挙ご紹介

ユニティは頻繁にエピック・ゲームズと比較されます。開発者は通常、特定のエンジンに特化して使い続けるので、ゲームエンジンの切り替えには大きなコストが伴います。これは、業界の特徴としてリプレイス(置き換え)コストが高いということです。そのため、一度シェアNo1を獲得してしまえば、大抵のことではリプレイスされないという点がユニティにとっての大きな競争優位の一つとなるのでございます。

株の分析にも使える!前提知識としてのクープマンの目標値

話を分かりやすくするために、ここでクープマンの目標値についても触れておきます。これはマーケティング分野で一般的に知られている理論であり、ランチェスター戦略の目標としても使われている指標です。シェアが発するサインに注目し、シェアと市場推移の関連性を解析した指標ですので、知っておくと他銘柄の分析にも役立ちます。

  • 独占的市場シェア
    • このパーセンテージを取れば短期的にトップがひっくり返ることはないほどのシェア。ただし、独占禁止法の問題などもあるので行き過ぎは危険とされる(Ex: JTやマクドナルドなど)
  • 相対的安定シェア ※ユニティはここ
    • トップの地位は安定しており、不測の事態に見舞われない限り、逆転されることはない。この数字はシェア獲得の最終日標として掲げられることが多い(Ex: ユニティやカルビー、ユニクロなど)
  • 市場的影響シェア
    • 1位を占めているブランドや企業は多い。しかし、いつ下位に逆転されるか分からない不安定な状態のトップ企業(Ex: サントリー、JTB、吉野家など)
  • 市場的認知シェア
    • 市場においてようやく存在が確認される水準。生活者が「こういうブランド(企業)もある」と思いだしてくれるレベル(Ex: 東芝、冷凍食品市場の味の素、化粧品市場のコーセーなど)
  • 市場的存在シェア
    • 市場において、ようやく存在を許されるシェア。これ以下のシェアでは、今後よほどの成長が見込まれない限り、市場から撤退する方が賢明とされる(Ex: マツダ、デニーズなど)

エピック・ゲームズとの比較

本題に戻ります。上記でもふれたようにエピック・ゲームズとユニティは頻繁に比較され、競合としてメディアに取り上げられます。エピック・ゲームズの主力事業は、自社ゲーム開発、Epic Gamesストア、Unreal Engineの3つです。いきなり結論であり事実ですが、まずこの2つの事業分野(自社ゲーム開発、Gamesストア)で、ユニティとエピック・ゲームズは競合していません。押さえて欲しいこととして、エピックゲームズの中核事業は自社ゲームの開発であり、2019年の同社の収益42億ドル(約4400億円)の大半はFortnite(フォートナイト))の販売によるものだという点があります。

そのため、私はユニティのIPOに関する報道の大半が見当違いだと正直思っています。エピック・ゲームズとAppleの激しい争いがユニティに絶好の機会を与えたという切り口が多いのですが、ユニティはそもそも自社のアプリをApp Storeには一切登録しておらず、ゲーム用の消費者向けストアも持っていませんので、各メディアの記事が「imp稼ぎの記事」にしか見えないのです。逆に、エピック・ゲームズがアップルと係争中だからといって、それがユニティにとって新しい市場参入機会となることはないとも考えています。

唯一競合するのは、Unreal Engineの部分です。しかし、ユニティのゲームエンジンはiOS用またはAndroid用ゲームの開発者にとってすでにデフォルトの選択肢となっており、彼らにとって既存のゲームのエンジンを切り替えるのは現実的ではないと考えています。ただし、この事業領域で競合していることは事実ですので、一応それぞれの違いも見ておきましょう。Tech Crunchに良い記事があったので参考にさせていただきました。

  • プログラミング言語
    • UnrealエンジンはC++プログラミング言語が基本。Unityに比べて広範なプログラミングが必要となるが、自由なカスタマイズが可能
    • 一方、UnityはC#が基本。ゲーム作りに必要な機能を網羅しており、初心者や個人開発者、大掛かりな開発を行う企業ユースのどちらにも実用的なゲームエンジン
  • 主要な市場
    • Unrealエンジンは、PCおよびコンソールゲームの開発者たちに人気で、最近は、ARおよびVRの分野でも確固とした地位を築いていきている
    • Unityエンジンは、今やゲーム業界最大(かつ最速成長の)セグメントであるモバイルゲーム市場を席巻している。モバイル市場におけるUnityのシェアは50%を超えており、この市場においてUnrealは一般的な代替エンジンにはなっていない。また、Unityは、ARおよびVRコンテンツでも60%を超える最大の市場シェアを維持
  • オーサリングの容易さ
    • Unityエンジンは、多額の予算を持つ大手スタジオに過度に集中したゲーム開発を民主化するというミッションのもと、リリース当初から使いやすさを優先しており、オーサリングの容易さを引き続き研究開発の主要テーマに据えている。Unityエンジンが教育環境や、気楽なモバイルゲームを開発している個人または少人数のチームで広く採用されているのもその戦略あってのもの。Unityエンジンでは、エンジンのソースコードを見ることはできるが、編集はできない(編集するにはエンタープライズ向けサブスクリプション料金を支払う必要がある)ため開発者が重大なミスを犯すことはない。その分、カスタマイズは制限される
    • Unrealエンジンは、Unityエンジンに比べて多くのコーディングと技術スキルが必要とされる。Unrealエンジンのコードはオープンソースなのでカスタマイズに制限はない。複雑で高パフォーマンスなゲームを開発するためにデザイナーたちに高く評価されており、広く利用されている。ただし、ユニティも最近、無料の独自ビジュアルスクリプティングソリューションBoltをリリースした
  • 料金体系
    • Unityはフリーミアムサブスクリプションモデルで運用。他の製品ポートフォリオも多数持っている
    • Unrealは、ゲームの売上の5%を徴収する収益共有方式で運営
    • 両社ともゲーム業界以外の企業との料金設定については別途交渉としており、その内容については公開されていない

その他ゲームエンジンとの比較

他に競合となるゲームエンジンとしては、Cocos2D(中国、日本、韓国のモバイル開発者で支持が多い)、CrytekのCryEngine(高い視覚的精度を備えた一人称シューティングゲームで人気)、Amazon(アマゾン)のLumberyardなどがありますが、ユニティの競合にはならないと考えています。

市場にはニッチなゲームエンジンが今でも多数存在しています。これは、各スタジオでそうしたエンジンが必要とされてきたためです。また、自社のゲームが成功しなかった場合のリスクヘッジとして、自社開発のエンジンをライセンス供与することが業界内ではよくあります。しかしながら、業界標準となっているUnityとUnrealという堅牢なエンジンと競合するのは極めて厳しく、ニッチなエンジンを使用する開発者も少なくなっているのが現状です。

UGCプラットフォームとの比較

Roblox(ロブロックス)等、ゲームを制作およびプレイするためのユーザー生成コンテンツ(UGC)プラットフォームは、少なくともしばらくの間はUnityと競合しないと思います。理由としては、こうしたプラットフォームは閉じられたエコシステム内の話で単純化されたプラットフォームですので、収益化の機会が本当に限られているからです(子供たちにとっては大きな収益であることも事実ですが)。この辺りはそんなに論点もないので軽めに流してしまいます。

テンバガー株までの試練。ユニティ(ティッカー:U)の決算内容

続いて投資家向けの決算内容についても触れておきます。IPO当時のS-1内容などは既に分かりやすい記事がたくさんありました。米国上場企業分析|Unity Software Inc.(U)【U】IPO銘柄 Unityを徹底解説!買うべきか?などの記事が分かりやすかったのでご紹介させていただきます。

IPO後初の決算は期待通り良好な結果。株価も好反応

IPOでユニティを購入した私としては、毎回の決算が最大の勝負どころです。テンバガーを達成する株式銘柄の多くは、IPOから良質な決算を出し続け、その間に政治や経済の影響で多少の価格変動はありますが、右肩上がりに株価が成長していくからです。これは多くの投資家がそうだと思いますが、逆に言えば決算が悪かった銘柄はいくらBig market獲得の期待があれど問答無用で手放すことも重要となります(投資である以上株価は重要です)。それでは、2020年のQ3の決算内容を見ていきます。

https://s26.q4cdn.com/977690160/files/doc_financials/2020/q3/Q320-Investor-Presentation-FINAL.pdf

まずは概要から。IPO後初決算となる2020年第三四半期決算は以下の通り、好調な結果となりました。詳細についてはユニティ公式資料をご覧ください。そして、決算後も株価は右肩上がりを続けており株式投資家からも好反応を得られたと言えるでしょう。

  • EPS:〇(-$0.09 vs -$0.15 予想)
  • 収益:〇($2.00億 vs $1.86億 予想)
  • 成長率:〇(+53.4%)

詳細はこちらのプレゼンテーション資料が分かりやすいですが、1点だけ気になったのは売上の70.6%に相当する1億4,170万ドルの営業損失を計上した点です。ただ、これも冷静に説明されていましたが、IPOを実施したことに起因するものでしたので、理由が分かってしまえば何の不安もない決算と言えます。

ゲーム以外の業界で事例を積み上げるユニティ

決算数値以外でも非常に興味深い内容がいくつか発表されていました。本当にたくさんあったので詳細はスクリプトを見て欲しいですが、下記に要約します。

まず、興味深かったのがシェアの観点です。IPO当初、ユニティは「モバイルゲームに強いとはいえ、ロングテール事業者だけでトップスタジオは使っていないのでは?」との懸念がありました。しかし、決算説明時にCEOが世界の収益で上位100社のゲーム開発会社のうち94社はUnityの顧客であり、第3四半期の終わりの時点で上位10社の自動車メーカーのうち10社がUnityを使用していると自信満々に語ったのです!おじさん、ここまでシェアを伸ばしているとは知らずにビックリしておしっこチビリそうになりました(汚くてすみません)。

さらに、注目の発表は続きます。ゲームを超えて、新しい市場に焦点を合わせ始めたという話です。もしかするとゲームエンジンのイメージが強すぎて目立たないのかもしれませんが、ユニティは既に、自動車、建築、エンジニアリング、エンターテインメントなどの新しい市場で多くの顧客に価値を提供しています。発表されたユースケースをいくつかご紹介します。全てユニティの公式ブログで日本語の記事も読めます。

トヨタが Unity と Microsoft HoloLens 2 で実現した複合現実の魔法

https://blogs.unity3d.com/jp/2020/09/08/toyota-makes-mixed-reality-magic-with-unity-and-microsoft-hololens-2/

トヨタはUnityと協力して、販売店とサービスネットワークの診断と修理のためのMR(複合現実システム、ARの発展形)を作成しました。修理はブランド価値に大きな影響を与えるため、これは非常に重要な意思決定だったようです。Unityの活用でこれまで200時間かかっていたトヨタのワークフロー時間が30分に短縮され、400分の1になったとのことですが、本当にすごいことですね。

トヨタ自動車の基本理念の 1 つに「カイゼン(継続的改善)」があります。生産設備と作業手順の両方において、カイゼンは品質の最大化、効率化、無駄の排除を追求しています。トヨタは、このような改善を実現するためによくテクノロジーを活用します。また、同社はデジタルエンジニアリング用の 3D データを早くから採用した企業でもあり、後にはリアルタイム 3D テクノロジーを採用しました。トヨタは、自動車のライフサイクル全体にわたって、Unity のリアルタイム 3D 開発プラットフォームをさまざまな方法で使用しています。

https://blogs.unity3d.com/jp/2020/09/08/toyota-makes-mixed-reality-magic-with-unity-and-microsoft-hololens-2/

世界のトヨタにバッチリ価値を提供しているとあっては、自動車業界TOP10社を100%顧客にしているシェアの大きさもうなずけます。

Valerio Dewalt Train がデンバーの新たな景観を Unity Reflect で実現

https://blogs.unity3d.com/jp/2020/10/08/valerio-dewalt-train-used-unity-reflect-to-reimagine-the-denver-skyline/

コロラド州デンバーにある36階建て、高さ390フィートのベルタワーとベルパークオフィスビルの設計でもUnityは大活躍しました。タワーの位置と大きさが都市計画担当者にとって重要であったため、複雑なプロジェクトだったのですが、ValerioはUnityの建築向け製品であるUnity Reflectを導入し、ビルの位置を現場で特定し、AR(拡張現実)のデジタルツインを開発しました。

ライブなリアルタイム AR アプリケーションの作成は、Valerio Dewalt Train 社にとってのスタート地点に過ぎませんでした。この AR アプリケーションをきっかけに、建築の未来や、AR が Valerio Dewalt Train 社にとって何を意味するのか、そして同社が建築業界のイノベーションの最前線にあり続けるにはどうすればよいのかについて、同社内でさかんに議論が交わされるようになりました。

https://blogs.unity3d.com/jp/2020/10/08/valerio-dewalt-train-used-unity-reflect-to-reimagine-the-denver-skyline/

Reflectを使用することで、Valerio Dewalt Trainは4週間以内にプロトタイプを構築し、市との入札を勝ち取ったのです(すごい利益だったようです)。

LEGOⓇ Microgame でゲーム開発の導入ハードルを下げる

https://blogs.unity3d.com/jp/2020/09/09/create-your-first-game-brick-by-virtual-brick-with-the-lego-microgame/

新規ユーザーが作成を成功させるのに役立つテンプレートのラインナップが増えている中、LEGO Microgameを追加することで、ローコード・ノーコード市場は今後数年間でUnityのビジネスの重要な部分を占めるようになると確信しました。

Unity が提供する Microgames は、Unity にはじめて触れるユーザーが素早く簡単にエディターを使えるようになるために作られたガイド付きの制作キットです。はじめてプロジェクトを開いてから、約 45 分ではじめて作ったゲームの公開までできるように設計されています。エディター内でのチュートリアルでは、すべての機能がどのように連動しているのかを理解しながら、クリエイティブな決定をしたり、パーソナライズを行ったりすることができるようになっています。Microgames には Unity Hub(バージョン 2.4.0)からアクセスすることができます。

https://blogs.unity3d.com/jp/2020/09/09/create-your-first-game-brick-by-virtual-brick-with-the-lego-microgame/

物理的な製品とVR(仮想世界)との間のギャップを埋めるために評判の高いブランドと協力できることに決算説明時のCEOも大興奮でした。

ゲームエンジンの覇者Unityはゲームを超え、VR/ARで他市場に大手をかける

これまでご説明した通り、ユニティを単なるゲームエンジンの会社だと思うのは大きな間違いです。事実、ユニティが見据える市場規模の過半数はゲーム以外です。ゲームエンジンの収益化も「踏めばすぐにできる」状態であることに加えて、大型顧客が今後ゲーム以外の業界から増えてくることに私は最も期待しています。そしてこれが株価を上昇させる重要なKFSとなるとも考えています。

そして、ユニティのCEOもIPOに合わせて公開したブログ記事で次のように語っています。

私たちは、世界のコンテンツの多くがリアルタイムで完全に3Dになる未来への道を導く手助けをすることに興奮しています。拡張現実と仮想現実、建築、建設、トレーニング、メディアとエンターテインメント、小売、自動車/輸送業界で働くテスト顧客を登録しました。Unityを使用した小規模なテストは、より大きな顧客関係に成長しました。世界は、より多くのクリエイターが参加するより良い場所です。そして、私たちはこれを今日よりもさらに真実にし、リアルタイムのインタラクティブ3Dが世界的に主要なコンテンツ形式になるようにするつもりです。私たちはこのビジョンを実現するためにUnityを構築しています。昨日、今日、そして明日、その旅に参加していただきありがとうございます。

Unity’s future starts with U

ブランドの芯でもあるユニティの公式サイトを見てみてください。ここにはもはやゲームという言葉はあまり使われておらず、クリエイターの応援をコンセプトに様々な業界でのソリューションが紹介されています。歴史を振り返ればユニティがゲーム業界の成長を促進したと言っても過言ではありません。ゲームを共通エンジンで作り、作ったものをそのまま20以上のプラットフォームに公開し、しかも収益まで得られるなんて誰が考えていたでしょうか。

ユニティはゲーム業界で起こしたイノベーションの再現性をあらゆる産業で試しにいっています。そして、既に有望な市場(自動車、輸送機器、アニメーション、映画、建築、広告、ギャンブル、教育など)ではトップ企業を顧客にし、成功事例を作り上げています。ユニティが見据える未来からするとまだ小さな事例かもしれませんが、私には大きな一歩にしか見えません。テンバガーをこのような銘柄で達成できるのであれば、本当に投資冥利に尽きるのでございます。

最後に、ユニティが公開している動画をもって記事を締め括ります。動画を見るだけでユニティの可能性と成長スピードが実感できるはずです。

※力尽きてしまいましたが、ユニティに関しては一晩語れるくらいは情報に触れています。そんな私ですので、ユニティ愛が強すぎることは否定しません。また、株式投資である以上、リスクは常に存在しますので、あくまで自己判断・自己責任でお願いいたします。

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